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@夫婦共同の遺言書
夫婦であっても、同一の証書で遺言をすることは禁止されています。このような遺言を共同遺言といい、せっかく遺言しても無効になってしまいます。別々の書面に遺言を書いて、それを1つの封筒に入れることは、同一の証書でなされた遺言とはいえませんから共同遺言にはなりません。
同一の書面に2人以上の遺言が書いてあっても、それぞれ全く独立の遺言として切り離せる場合は、共同遺言にならないという考え方があります。しかし、全く独立といえるかどうか、内容的に相互に関連する場合はどうかといった問題を残すものですから、同一の書面に遺言を書くことは避けたほうが良いと思います。
A遺言の撤回
遺言はいつでも自由に撤回することができます。これは、遺言者の最終意思を尊重するためです。撤回するにあたっては理由を問いません。気が変わったからということで撤回することもできます。遺言の撤回は、新しく遺言を作成して、そこに前の遺言を撤回すると書くことによって行います。これは、遺言の撤回を明示で行う方法です。
この他、遺言が撤回されたものとみなされる場合として次のような場合があります。
・日付の異なる、内容の矛盾する遺言が2つ以上あるときは、後の遺言で前の遺言を撤回したものと扱われます。
・遺言をした後に、遺言者が遺言の内容と矛盾する処分などをした場合にも、遺言は撤回されたものとして扱われます。
・遺言者が遺言書を故意に破ったり、焼いたりして破棄した場合にも、遺言は撤回されたものと扱われます。
・遺言者が遺言に書いた遺贈の目的物件を破棄した場合も、遺言は撤回されたものと扱われます。
B2つの遺言の効力
2つの遺言が発見された場合でも、書かれている内容が矛盾しなければ両方とも有効になります。例えば、1つは財産の処分のことが書いてあり、もう1つは後見人の指定のことが書いてあるような場合です。この場合は、遺言の日付が同じでも異なっても、両方の遺言が有効なことに変わりありません。
2つの遺言の内容が矛盾する場合には、後の日付の遺言で前の日付の遺言を撤回したものとみなされます。これは、遺言者の最終意思を尊重するためです。日付が同じ2つの遺言で内容が矛盾する場合は、時間的にみて後から作られた遺言が有効になります。どうしてもその前後を決定できないときは、矛盾する部分は両方とも無効とする考え方が一般的です。前の遺言と後の遺言との間で、内容の矛盾がその全部についてではなく一部についてある場合には、矛盾した部分についてだけ、前の遺言が撤回されたものとみなされることになります。
C遺留分
遺留分というのは、兄弟姉妹以外の相続人が相続財産に対して取得することを保証されている一定割合もしくは一定額のことであり、被相続人が他に贈与や遺贈をしても奪われることのないものです。被相続人は、生前贈与や遺言により自由に財産を処分できますが、その結果遺留分を侵害することになれば、贈与や遺贈を受けた者は、取戻しを覚悟しなければならないことになります。遺留分の制度は、遺留分を有する相続人に侵害されない取得分を保証し、これにより生活の保障、相続に対する期待、公平性を確保するものです。
D代筆・ワープロの効力
自筆証書遺言は、遺言者がその本文、日付、氏名を自書しなければなりません。自書とは文字通り自分で書くことを意味しますから、自筆証書遺言を代筆してもらうことはできません。たとえ氏名、押印だけ本人が行ってもだめです。代筆による遺言は無効になってしまいます。
自筆証書遺言における自書は、筆跡によって本人が書いたものであることが判定できる点に意義があるところからすると、パソコンやワープロによる記述は自書にあたりません。パソコンやワープロの字は個性がなく誰が打ったものか判定することは困難であり、偽造や変造の危険も大きいからです。
E押印と指印の効力
自筆証書遺言に押印を要するとした趣旨からすると、押印について指印をもって足りるとしても、遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自書することを要することによって遺言者の真意の確保を図ることができます。また、一般に実印による押印が要件とされていない文書については、文書作成者の指印があれば印章による押印があるのと同様の意義を認めている日本の慣行ないし法意識に照らすと、文書を完成させる機能においても指印をもって足りるということができます。このような理由から、自筆証書の押印は指印をもって足りると解されています。
ただし、指印が遺言者のものであるか否かが問題になった場合には、実印等に比べて遺言者のものであるとの確認が困難な場合があることはいうまでもありません。これから自筆証書遺言をされる方には、遺言者の印章であることが証明しやすい実印や銀行届出印のご利用をおすすめします。

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